第82回全日本フィギュアスケート選手権:ペア・アイスダンス・男子シングル

全日本選手権!のつぶやき

 特に見る目も何もないので、与太話中心で、覚えてる順に書いておく。

大会全体を通しては、「あの会場に!私は!!いた!!!」という思いで、とにかくあの場所で見届けられた事が嬉しかった。神様、ありがとう!という気持ち。大抵の試合は、現地で観戦すると高確率で何かしら持って帰るものがあるものだけど、持ちきれないほどギフトをもらった大会だった。「2013-14年シーズンの全日本選手権」を、一生、忘れないと思う。

  •  さいたまスーパーアリーナの400レベル前方は、前評判ほど豆粒でもない。
  • そのかわり、バーが嫌。通路部分の手すりが少し高くなっていて、端の席になるとその絶妙な位置のバーが邪魔で邪魔で仕方が無かった。
  • 座席の傾斜がきついので、前方後方あまり気にしなくていいのは快適。椅子も、代々木や新横に比べたら、天国。

アイスダンス 

  • 国際試合や、国際試合にコンスタントに出ている選手を見ていると「ツイズルが」「リフトが」「スケートが」というお話しになるんだけれども、そもそもそれ以前に、滑りながら、膝でリズムを刻んで行く、という事の難しさよ…。
  • その中で、レベルが上がったと明確に感じたのはえみマリ。(平井絵己/マリオン・デ・ラ・アソンション)SDでは、一番「踊ってた」と思う。ツイズルがもったいなかった。FDはかっこよかった。
  • リード姉弟(キャシー・リード/クリス・リード)のFDは、NHK杯から二度目。衣装はピンクよりこっちの方がいい。正直、昨年のFD(ビートルズメドレー)を国別で見ちゃったので、あれが好きすぎて、二人にも似合ってたし、五輪はそっちのほうがいいのでは、と今でも思ってるけれど、全日本で見たFDは、悪くないなーと思った。素直にきれい。コリオリフトは、どの状態が”完成”なんだろう…?

ペア SP

  • 成龍高橋成美/木原龍一)組は、少し緊張してたかな、という印象。ただ、木原君の滑りが、のびのびとしていて、なんだか自由で、驚く。逆に緊張していたのかもしれない。でも素敵。FPはミスが散見されたのだけど、それとは全く関係なく「ペア」になってきた。二人で一つの滑り感が増した。

男子シングル

  • 今季、引退を表明しているトップ選手以外にも、おそらく、これが最後になるかもしれない、という滑りをたくさん見ました。最後と覚悟を決めて挑んで、パーフェクトにはならなかった、演技をいくつもみた。それでも立ち上がって滑り続ける姿には、胸が熱くなりました。終わって笑顔で応えた選手も、悔しそうにした選手も、続けるのかどうかわからないけども、それぞれの全日本がありました。
  • 近年まれに見る緊張の代表争いであった事は、確かだと思います。私なんかは、まだまだ、この後にロシアもアメリカもある…ッ!と意識をそちらに向ける事でごまかそうと試みたくらいです。試みは、失敗に終わりました。ロシアとアメリカのことを考えたら、余計にくらくらしました。
  • SP。第1Gから見応えがありました。いきなり、田中刑事、私的にはスターが登場です。最終的にいい演技をたくさん見ました。同時に、高橋の演技は、自分でもびっくりするくらいショックでした。特別、ファンだと思ってはいなかったのに、立ち上がれなくなるくらい。
  • FP、最終Gははっきりと空気が変わりました。その中でただ一人、ジュニアの選手として参加した宇野選手。あのひりひりした空気の中、そして先輩すら「最悪やw」と思わず口にした羽生選手の後、と言う滑走順で、しっかりと自分の世界を作り上げ、観客を魅了していたのが凄かったです。羽生と宇野でトップを争う時代、あるで…。
  • 既に、先のエントリでも取り上げましたが、織田選手がこの全日本を最後に引退の意向を示しました。高橋先輩も(どうなるかわからんけれども)今シーズンまでと明言しており、フィギュアスケート日本男子界に、一つの時代の終わり感が漂います。
  • まあでも、こっからは、無良小塚町田羽生田中龍樹宇野で光GENJI時代がくるね…前二人が「光」後ろ5人、GENJI、な…。と呟いたら「トニセンカミセンじゃないんだ(ぶいろく)」と言われました。し、7人だからさ!V6のつもりで書いてたけど、宇野選手も入れたい、と思ったら7人になっちゃったからさ!べつにわたしのねんれいのせいじゃないんだからね><

 各選手の感想は、順不同で続きの中に。

  •  田中刑事選手。上手くなった。3A、きれい。3-3が3-2に(だよね?)。でもこれは、3-2にした、という印象。最初の3回転でフェンスに近寄りすぎたので、冷静に2回転をつけた。結果的に加点をもらえるジャンプになってると思う。男らしい色っぽさ。シャツの第3ボタンくらいまであけるプログラムを滑ってもらいたい。
  • 伸びる第1G。
  • 山本草太選手。楽しみすぎる。上手い。2000年うまれ…。
  • 近藤琢哉選手。SP「ルパン三世」FP「ドラゴン」ルパンはFOIでみたのだけど、その時は照明が暗かったせいか、動きの細かい部分がよく見えず、そのせいか全体的に大味で、音負け&(衣装による)出落ち感が強かったのだけど、試合会場でみるルパンまじルパン…。ステップの所の細かい振り、ルパンザサーーード!って感じで。全然音に負けてない。何度も見たいプログラム。FPはドラゴン。SP、FPともに、ベタなんだけど、これが出来るのもまた才能。ふらついても倒れても、立ち上がってスピードを上げる。次に向かって行く姿勢が最後まで途切れず、その「いい物を見せる事を諦めない」姿勢、ひいては、自分を、諦めない姿勢には、胸が熱くなりました。
  • 山田耕新選手。名前に聞き覚えがあるから、どっかで見たことがあると思う…んだけど。SP「雨に唄えば」おしゃれ。まず、衣装がおしゃれ。見ていてワクワクする滑り。ひりひりするような滑走順(第4G)のなか、魅せてくれました。FP「るろうに剣心」実写版のサントラだと思う。実写映画自体、いい映画だと思いますし、この手の原作物の安っぽさを感じさせない作りなのですが、このプログラム、国際試合で見たかったなあ。遠目から見たバナーがかっこ良くて目立ってた。黒地に白で「耕新」が筆書きのフォントで入って、そこに、渋い赤がさっと入ってる。フリーはるろ剣だし斬りつけるような動きも入ってたから、和テイストにあれは、血かなーと思ってたら、近くで見たらFPの衣装を来た本人写真でした(ご、ごめん…)。でも、遠目から見たときと近くで見たときで二つ意味があるってかっこいいじゃない?(狙ったかどうかと言われたらそれは狙ってないんじゃないかなって思うけど)名前に返り血を浴びてる、みたいな雰囲気がかっこ良かったのです。
  • 村上大介選手 FPよかったーーー!アメリカから日本にうつって怪我なんかもあって、だったので、FPの納得したような滑りは、私も嬉しかったです。
  • 宇野晶磨選手。上手い。夏のアイスショーの時にも、体とリンクの対比を感じさせない、小さい体の割に大きな滑りをする選手だな、と思いましたけれど、この大きな会場にも全く負けてない。「常に体を大きくみせる」ことを自分に課しているのかな。それが、強みだな、と思いました。それから、所作がずっと美しい。所作の美しさは、まごうことなき技術と美意識なので、16才にしてこれは立派。細かいところまで神経を行き届かせ、技術を表現力につなげてる。SPは3Aなしでこの点数(72.15)!そりゃ出ると思います。
  • 無良崇人選手。SPは、調子の悪いまま来ちゃったのかなあ…。だから…シャツのボタン、もう一個開けとけば!色っぽくてかっこいいプログラムなので、なんとか形にしてほしい。FPは、意地をみました。最終順位は6位。
  • 町田樹選手。凄い。強いの一言。エデンの東は、絶対に一度は生で見たいと思っていたので、その演技がこれで、大満足です。でも、まだまだ進化して行きそう。SPでいい演技した後のFP、とか、シーズン後半に向けての調整、とかここ数年で一つ一つ課題にぶつかって、それをクリアする為の練習をたくさんしたんだと思います。あの時はああだったけど、今回はクリアできてる、と毎シーズン思ってる気がします。火の鳥の襦袢の色は、ちょっと気になります…。
  • 織田信成選手。徹底的にodaらない構成で、ようやく計算が出来るようになりました…と色んな人に言われていると思います。FPで2個目の4tが3tになった時の緊張感といったら!わかってるんですけれど。今季、何度も計算できる事を証明して、そもそもodaらない構成で挑んでるんだってこと、わかってるんですけどッ……!4Sは、織田くんにこそ必要なジャンプでしたよね…。4回転が1つでも回転不足になると、自ずと全体のジャンプ構成が下がってしまうので、ショートの出来を考えると、その時点でかなり厳しい戦いになったと思うのですが、それを感じさせない滑りだったと思います。SPもFPも、名作と言っていいプログラムで、充実した時間を観客に与えていました。今でも家で振りを真似しちゃうくらいよ……。何よりも、観客にむちゃくちゃ愛されてる。織田君。ファンの多さ、という意味では高橋羽生が二大巨頭なんでしょうけれど、そういう人たちも、きっと二番目は、殿♡なんでしょう。たぶん。ぜったいにそう。みんなだいすきおだくん。
  • FPでは、代表争いの渦中にありながら、高橋を応援する男気をみせて、全スケオタが涙。
  • 中村健人選手。衣装がおしゃれ。着こなすあんたもおしゃれや…まさか大学に、コロコロ持って通学してた、なんてことは気づかれまい…(自分のださかったエピソードとしてなんかのインタビューで言ってた)FPは、ファーまでついてるんですよ!演技は、ミスもあって、というものですが、FPが終わった後に、「笑顔で挨拶」と決めていたような笑顔で、気になりました。「区切りの年」と何かで言っていたし「最後」と決めた大会なのかな、という雰囲気で。観戦していたランビエールが、長々と「健人に説教してる」ところが目撃されているので、願わくば、それが「辞めるな!まだここからだ!」という物である事を祈ります。進退は、それぞれの事情もあるし、安易に続けて、とも言えないんだけどね…。続けてほしいと思っているファンがいる事、ここに書き記しておきます。
  • 羽生結弦選手。まず謝っておきたい。あれだけの演技をした羽生選手のSPとFP、どちらも高橋選手が気になりすぎて心ここにあらずすぎたわいはバカや…ここに来て、初めて、高橋への気持ち爆発でわいもちょっと混乱しとる…。
    SPのパリの散歩道。似合ってきました。去年も似合ってたと思いますし、何より私は、羽生選手は「オラオラ」系プログラムが大好きなのでそれもあるんですけど、去年は子供が大人っぽくしてる所も含めてかっこかわいい、という雰囲気で、意気がってる感否めなかったのが(だがそこがいい)今シーズンは普通に、哀愁を漂わせるようになってきました…よ、ようこそ哀愁…ちぇ。大人になっちゃって。つまんないの、という私の、気持ち悪い感想はさておき、もう少し、「若い」風情を生かした表現も見ていたかったかな、と思います。そういう、プログラムを。選手に、大人っぽいの子供っぽいの、というのは好きじゃないし下品な事だとも思うんですけれど、同時に表現という物の中には、老いも若きも、その年齢だから出せる「味」みたいなものがあって(それを出せるのが表現力という技術)一足とびで階段上っちゃった感。
  • しかし本当に覚えてない。何この子怖い、と思たのは覚えてる。全く失敗しなさそう。FPも、4Sの失敗込みでプログラムっていうか、転倒は点数的に重大なミスだとおもいますが、でも、転倒後も演技は続くわけで、転倒の後、諦めたり疲れたりしてプログラム全体が空回りしたり、という事が、今季の彼には少ない。GPSでパトリック・チャンと2戦たたかえた事は大きかったのかな、と感じます。この2戦で、ものすごく成長した気がする。
  • 小塚崇彦選手。よくぞここまで…。イーグルや滑り自体がゴージャス。そして衣装も素敵に…。特にFP。今後はお母さんに作ってもらおう!(手直しだけ?)。SPは3Aに2.0の加点。連続ジャンプはオーバーターンが入ったりしましたが、きちんと3-3にして、減点を最小限に抑えました。とはいえ、なんとなくジャンプは本調子じゃない印象。ステップシークエンスはレベル4で1.96の加点。スピンはレベル3ですが加点をもらっています。5コンポーネンツは8〜9点台で、7点台を出したジャッジは一人もいません。よく戻してきたな、という印象ですが、まだ、もう少しけがの影響があるかな、という滑りでもありました。それでもこの点数は、やはり彼の上手さを感じさせますし、完璧な演技というわけでもありませんから、充分戦って行けるはずです。怪我を治して、続けてほしい、と強く願いますが、大変なのは本人ですし、簡単に言うべき事でもありません。辞めると決めたとしてもそれはそれ、です。彼のやってきた事の素晴らしさは変わりません。それでも、ファンとしてはは、これからの4年間、彼が日本をもっと強くする、と確信しているのです。無良くんと二人で「光」になってもらわないといけませんから…
  • 高橋大輔選手。SP。4回転両足?3Aは悪くなかったけど降りたあと転倒。3-3はつまった。スピンは取りこぼしてるんじゃないかな。加点もなさそう。わかんないけど。点数は、妥当かな…NHK杯、あんなもんじゃなかったし。FPは、まず冒頭の4回転を転倒。その次は両足。今回の全日本、ジャンプがこれでは…。現地で見てる時は気がつかなかったのですが、あとでテレビで見たら、表情は、ずっと笑っていたんですね。そこに彼の、表現すべき物、と選手としての矜持を感じました。誰よりも本人が、おそらく一度は、演技の途中で「これが最後」と覚悟した滑りだったと思いますし、だからこそその状況にあって、伝えるべき事を伝える滑りで、周囲が立ち上がったのもわかったし、胸を打つものもあったのですが、その胸を打つ物がショックなのか、演技による物なのかわからなくて、私は、立ち上がることが出来ませんでした。それまでしゃべっていたとなりの方が、おそらく、私を気遣って立ち上がりかけたのをやめられたので、それが、本当に申し訳なかったです。ごめん!ショックだったの!

以上、今更ですが全日本感想覚え書きです。女子も書く予定です…でした…です…か…?

追記:
佐々木彰生について呟いた物を転記忘れてましたので追記です…。

  • アキオが、アキオ枠として、会場中のギャルをアキオガールズにしてしまったのも、さすがだと思いました。それで、終わった後に、ぐっと引き締まって悔しそうな顔をした事にも。観客には笑って手を振るんだけどさ。