12月21日〜23日「フィギュアスケート全日本選手権」に行ってまいりました。選手や演技についてつぶやきを書き記しておこうと思うのですが、選考について思った事もいくつか。

  マスコミは「ソチ五輪代表が決まる!」とこぞって書き立て、確かにこの試合で最終的な派遣が決定するのであながち間違いではないと思いますが、「全日本が一番大事!」かのような囃し立て方は、ちょっと違和感がありました。集客と視聴率を考えれば、煽れるだけ煽った方がいいという事はありますから、その点差っ引いたとしても、あの選考基準読んで、この結果を受けて、「なぜなぜどうして?表彰台に乗った選手が選ばれないんじゃ全日本意味が無い」とか言い出すのは、ちょっと……どうなんだろう。「言葉足らず」なんて記事も出ましたけれど、そこまで全部きっちり説明してもらわなきゃわからないの?と言う印象。こちらも、煽ってクリック数を増やしたいだけ、なのかもしれませんが。

実際、五輪の選考基準を読むと、「表彰台にのった場合複数回選考のチャンスがある」という点と「優勝者は自動的に派遣が決定する」(そういう大会は今季全日本のみ)点においては、確かに「全日本が大事な大会」であるとは思うのですが、同時に今回、2枠目3枠目に関しては「全日本だけでは決めないよ」という事がきっちりと書かれており、そのどちらが重視されるか、という事は明確にはされていませんが、それはつまり、どちらが重視されてもおかしくはない、ということ。個人的には全日本で選抜される事の優位性(一発逆転の可能性、チャンス)は1枠目で充分かと思いますから、国内大会でどうか、という事より世界大会でどうか、という事が重視されたとしたらそれも理解できます。どう読み取るかというのは、人それぞれ違いもあるかと思いますが毎日新聞が出していた以下の表がわかりやすかった。

http://mainichi.jp/graph/2013/12/24/20131224ddm035050084000c/001.html


 ちなみに、この選考のポイント自体は、選考前からわかっていたことなので、5位の選手にだって順当に権利があったし、権利を持っている以上、どちらが選ばれても順当です。こういう事を「サプライズ」「もやもや」とかき立てるのは、意図してるのか天然なのか知りませんけれど「アンフェアである」という印象をつけてあおり立てたいだけだと思うので、こちらの方が非常にもやもやしました。選手にも、失礼よ。

 とはいえ、気になったのは世界選手権の代表で、こちらは表彰台通りでよかったのじゃないか、とかいう気持ちは、あるんですけどね。いろいろ意図はあるかもしれませんが、この件に関しては、時間をあげるからゆっくり怪我を治して、来シーズンからの活躍を望む…ということであると考え…たい…考え…よう…いや、考えることにした。「もう少し、早くし上がっていれば、ね」と連盟の人も言ってたって言うし。私は彼のスケートを、競技者としての彼を、出来るだけ長く見ていたいのだ。

 選考の詳細を公表しようと票数や過程を示せばそこにもやもやされたり、選手の気持ちを考えろと言われたり…スケ連は大変だなー、と思います。そして、いちいちこんな騒ぎになるようじゃ、「言っても言わなくても好き放題勝手な事言うんだったらもう、黙りでいこう」なんていつかいいだすんじゃないか、と思ってはらはらします。

 そもそも、スポーツの選考ですから、かわいそうもなにもない。どちらかが選ばれて、どちらかが落ちるのです。選考ってそういう残酷な事だし、選手だってわかってると思う。