どうなるNHK杯・綿菓子のパンツ、再び

同じ病気をした友達(※入院・手術をした子もとても多い)が、参考になった本として得能史子さんの「子宮、応答せよ。ー筋腫警報発令中ー」を送ってくれた。話の流れで紹介してくれて、読みたいなと思って探したら絶版となっており「だったら」と貸してくれたのである。病気の人に病気の本を紹介するという行為は、とても気を使うことだったと思うが、実際にこれが、たいへん参考になった。(勇気を出して進めてくれてありがとう!)

まず、パンツを買い足そうと思った。そもそも日頃パンツは3〜4枚を使い回す生活である。しかし今回、10日の入院・洗濯なし・面会なしという環境を鑑み、5枚のパンツを買い足した。術後に体を締め付けることのないように、大きめ・緩めのサイズなので、使い捨てのような気持ちだった。ところが、本の中に、「緩めのパンツが大変重要である」ということが書いてある。しかも術後、4ヶ月はこのパンツを履き続けたという。5枚では足りぬ、と思った。入院前だが試しに履いてみたら、妊婦のように前に突き出たお腹に、これがまあ大変快適である。5枚2,000円。こんなところをケチっても仕方がない、と思った。今は、快適である、ということが、何よりも重要だ。かっこつけるのは、体力が戻ってからでいい。(綿菓子色のパンツ、がとても嫌なのだ。だって綿菓子だよ!セシールさんも、nissenのように、同じパターンで黒とか紺とかを作って欲しい)。

術後の経過も参考になった。「退院=全快ではない」ということは、わかっているつもりだったが全くわかっていないことがわかった。(この文章がわかりにくい)。なんせ、手術をした月の末、大阪で行われるNHK杯を生観戦しようとしているのだ。できれば2泊3日。もちろん、チケットが取れたら、という話になるが、問題はチケットがとれるかどうか、ということだけで、肉体的に難しいとは思っていなかった。なんせ田中刑事が出るのだ。万難を排して行かねばなるまい…なのだが、そもそも、物理的に可能なのか、ということである。この辺りは、主治医に聞く、ということで、一旦気持ちを落ち着かせた。

漫画を読む。そのまま、得能さんの体の不調と、抱える不安にシンクロしていく。そこでようやく「不安でいていいのだ」と腹に落ちて、ボロボロと泣けてきた。この期に及んで、私はまだ「子宮筋腫で手術なんてよくあること」「大した手術じゃない」などと、何かと比べようとしてる。「心配させたくない」とか、「不安すぎて問題を矮小化している」とか、そういうことではない。心配はそれなりにして欲しい。そうじゃなくて、「大袈裟に騒いでいる」と思われたくないのだ。「大袈裟だな」とか「それくらい大したことないでしょ」と誰かが口にした時、私は顔を真っ赤にして口をつぐむだろう。その誰かが、この体と変わってくれるわけでも不調を引き受けてくれるわけでもないのに、そういう人の評価を気にしてる。それは、結局、他人にも、病の大変さマウンティングを仕掛けて、乗っかっているということだ。きっと、巡り巡って、同じように、誰かの不安を無きものにするだろう。(ていうか、してきただろう)。

不安で、何が悪いのだ。

 

子宮、応答せよ。--筋腫警報発令中

子宮、応答せよ。--筋腫警報発令中

  • 作者:得能 史子
  • 発売日: 2010/04/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)