NHK杯3日目

アイスダンスは神演技続きでした。メリチャリ、カペラノなど、本人たちにとっては「課題も見つかった」大会だったのかもしれませんが、それでも十分素晴らしく、エモーショナルで、とにかく興奮しました。まず、プログラムが素敵なのですから。

・前半グループで最も印象に残ったのはパイポー(パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ)組。ポワリエさんは、日本語も達者という事なんですが、踊りも達者なのでした。(当然)最初のリフトから独創的で、音楽的。会場がぱっと注目したのがわかりました。「この組、ちょっと面白そうだぞ」って。ヒッチ・コックの映画を見た事のない私が、ヒッチ・コックと言われて想像するのは、”静かだけどざわざわしている風景”や”曇り空”なのですが、それが氷の上にありました。静かで、怪しくて、心がざわつく感じ。今シーズン、アイスダンスを見るたびに、楽しみにするプログラムになるでしょう。

・イリカツ(エレーナ・イリニフ/ニキータ・カツァラポフ)組はブラック・スワンがとても似合っていました。文句無しにかわいい。FDのあと、エレーナが泣いていた…と思うのですが、本人たちも満足だったのでしょう。

・シブタニズ(マイヤ・シブタニ/アレックス・シブタニ)も、似合っています。マイヤをリフトするアレックスが頭でリズムを刻んでるのを見て、彼がよくやってる「フィギュアスケーターでMVをつくる」という試みは、こういう時に力を発揮するよな、と思ったりしました。音楽に合わせて動画編集すると、見ていて気持ちがいいというのはどういう事か、客観的にわかってくると思うので。動画編集の技術とセンス、年々あがっています。

・カペラノ(アンナ・カッペリーニ/ルカ・ラノッテ)組。分かり易いミスのない演技ですが、ちょっと危なっかしかった、のかもしれません。とにかくかわいい、と思っているうちにプログラムが終わってしまう。アンナちゃんに見とれずにプログラムを見られる日、はくるのでしょうか?無理じゃないでしょうか?ルカまでかっこ良く見えてきました…。ルカ、エキシビジョンの時も率先して盛り上げていて、凄くフレンドリーなかわいい人だと思いました。エキシビジョンの、アンナちゃんに叩かれたりする所、本当にかわいい…なにあれ…かわいい…ひどい…

・メリチャリ(メリル・デイビス/チャーリー・ホワイト)組。最初のリフトが恐ろしいことになってるんですけれど、ちっともアクロバティックに見えない。ふわっとしていて、優雅。バンクーバ五輪くらいのころ、高難度化するリフトに対して、「アクロバットか!」という批判もあったように記憶しているのですが、今思えばそれは「スキルアップの初期段階での沈み込み」みたいなことで、今やほとんどの上位選手は「高難度リフト」をプログラムの要素として消化していますよね。彼らはその代表格みたいな選手で、毎年新しい何かを見せてくれます。高橋にラブコールを送られるメリルのかわいさ!リアルプリンセスっぷりと言ったら!豊の部屋で、「生まれ変わったら子犬になりたい」といったチャーリーに、「じゃあ、その子犬を私は飼うわ!」と言ったあたりで、萌えゲージが振り切れました。

競技終了後、豊の部屋はいつやるのかな、と思っていたら、割とすぐに始まってしまって、最初のリード姉弟を少し見逃しました。キスクラのすぐ裏のブロックに座っていたのですが、豊の声は全く聞こえず、また、通訳の方の声も所々聞き取りにくかったため、テレビで見るか、と思ってたらハビエル&アボットあたりはカットだって?(録画を確認します)

アボットさんは、「5回代々木に来てるんだけど代々木はいつもいい演技が出来なくてこの会場はのろわれてるんだ。だけど今回、その呪いに打ち勝てたよ!」って言ってました。その調子でよろしく頼みます。自分の演技の冒頭のジャンプ着氷に「これが呪い打ち勝った瞬間です」って言ってました。なんですくんは、羽生選手の事を聞かれていました。「ジャンピングマシーンって思ってる」「いつか動画にとってネットにアップしてやろうと思ってる」って言ってたので、ファンはゆるく期待したらいいと思います。

・生まれ変わったら原宿ガールになりたい、といったグレイシー、かわいかったですね。その後、twitterでちょっといろいろあったみたいですけれど、日本に悪いイメージを持たないといいなー、と思います。日本人から批判されたわけではなさそうだな、と思いますが、若いんだし、そうだったのか、で収まる問題であってほしいと思うので。

・未来ちゃんに、みんなユニクロプレゼントしたらいいと思います。

・生まれ変わったら何になりたい?というフリップに「スケートしかやってこなかったので、スケートをしない自分ってどんなかな、と思って”真央”と書いた」という浅田選手のその言葉には、ちょっとこみ上げるものがありました。なんか…なんだか。

・最終的に高橋がすべて持って行きました。