問題が、社会への影響(「みんながこう思ってるから」ではなくて、社会にどういう影響を与えるかを考えて、その影響)と照らし合わせて、できるだけ同等に「問題」として処理される事は、当事者を守る術でもある、と思う。それは、「問題を問題として処理する」という事で、間違いや問題を起こした側や、被害者にとっても辛い事もあるかもしれない。だけど、それをする事が、やっぱり一番楽で良いような気がする。間違いがあったとわかったら、何が問題だったのかを洗い出して認識して、その是正に努める。それをしてもらう為に問題を「問題である」と伝える。

 ああ言った写真がでた以上、この件が「セクハラでなかった」とするなら、それは第三者によって公平に調査され証明されるべきだったと思う。スケ連がそれを望み、それを受けるなら、少なくともこれがセクハラでは?と言われる構図をきちんと理解してるっていう証明にもなる。

その証明がなされて、初めて「セクハラ疑惑」は晴れるし、そうすれば、あれは酒の上でのイレギュラーだってことになる。セクハラではない、のなら、イレギュラーにしなければならない。ああいった事が恒常的に行われている組織である、事にしてはならない。あれは、構図としてはセクハラで、アルハラで、パワハラである、その要件を満たした行為なのだから。

しかし今回、構図はセクハラなのに、第三者に検証もさせず、当事者だけで互いに落ち度があった、という落とし方をしてしまった。検証がないから「限りなく黒く見える」状態のまま。いくら情報ソースが週刊誌だからといって、「キスをしている」事実が見えてしまっている以上、捨て置いていい問題ではなかったはずだ。組織の見方と、社会の見方との乖離を、わかっているのかいないのか、その説明もなかったし、つまりは、組織としての問題意識がどこにあるのか、さっぱりわからない状態だという事。その上で、選手を巻き込んだ。
スケ連のとった方法は、解決方法として、最悪、にみえる。

ところで、Twitterなんかを見ていると、リークした犯人を探しをしている呟きや、同席している人の問題を語る言葉を時々見かける。あれは……どうなんだろう。

今、リークした犯人を探すべき時なのかどうか、それだけの情報が手元にあるのかどうか、よく考えてほしいと思う。

こういうのは、被害にあってる人が情報を出している、場合もある。
(過去、被害にあった人や、こういった行動を日頃問題視している人の可能性もあるって事。政治的な意味のある記事だろうとは思うけど、情報元がそれを意識してるかは別の話だ)

誰が同席をしていたか、誰がリークしたのか、それを批判的に語れるほどの情報量は、現時点では出ていない。

確かに、笑いながら写真を撮っている絵は見ていて気分のいいものではないと思う。
それは、目の前で行われているセクハラだかパワハラだかアルハラだかを、受け入れてしまっているように見えるからだ。でも一方で、あそこで声をあげられない「力関係」が存在しているとしたら?それは、ある意味被害者だ。
そしてその可能性は、普通にあると思う。なんといったって、あのキスは、組織のトップがやってることなのだから。

周囲の人間や、リークした人間を「悪」と思うのは、自分の気持ちでしかない。不確定な情報でそれを語る事は、時に、余計な被害者を増やす事にはならないだろうか。誰かを貶める事にならないだろうか。周囲で写真撮ってる人たちにやたらと罪の意識を求めて、いったいなんになるって言うんだ。

ちょっとまえに、Twitterで、選手(とその周囲やその扱いに対して)の言動に対し、事実無根の誹謗中傷をして、ちょっとした騒ぎになる、という事件があった。

不確定情報を根拠に、人を批判したり否定したりすれば、それは誹謗中傷にしかならないわけで、だから、多くの人からツッコミが入った。

その後、いわゆる炎上という状態になってしまうと、つっこんでいる人も様々だから、今度はそのツッコミにツッコミが入って、問題が問題として処理できなくなる、という事はよくある事で、この件も、最終的にそうなっていった。それは、経緯を知る人間から見ると、被害にあった人を苦しめるような言葉だったりした。おそらく、言及している人は、そんなつもりはないのだ。むしろ、善意で発言している。でも、結果的に、被害にあっていた人を苦しめた。

 

こういうごたごたがあると、スケオタとして、どういうスタンスをとれば良いのか、迷う事がある。別にスケオタを代表してるつもりもないし「スケオタとして」なんてむちゃくちゃ抵抗があるんだけども、周りの人はそうは見てくれない、という部分も現実にあるので。それで、「スケオタっていつも揉めてるね」みたいになってもめんどくさいし。実際、フィギュアスケートの周囲にある言葉は目を覆うような酷い言葉も多い。その言葉にいちいち反応していればポシティブな印象にならない事は当然で、だったら、そういう言葉をなしにして、そうじゃない人もいっぱいいるんだという方向に舵を切る方が正しいのかもしれない。

実際、問題を口にする事で問題が広まる、という側面もある。わからない。でも、私は、黙っている事が出来ない。

それは、私が、これらの問題をはなから「フィギュアスケートの問題」という所に落とし込んでいないからかもしれない。
セクハラは「組織のあり方の問題」だと思ったし、失言は「SNSの使い方の問題」だと思った。

フィギュアスケートの問題」として落とし込めないような問題ならばフィギュアスケートが好きな人はどう対応するのか。そういう問題になるだろう、と思ったから、黙っている事は出来なかった。

 

私の言葉は、ポシティブじゃない。意地悪に響く事もあるし、多分、凄く批判的だろう。

 

(ついでだから私が見ていた経緯を書いておくけれど。そもそもこの件、炎上させてしまった人《仮にBさんとする》が、ある方《こちらは、Aさんとします》の全く関係のない呟きを無断引用して、更にその言葉にイヤミをくっつけて流した事から始まっている。Aさんが最初にした呟きは、別の問題に対する呟きだったのだけど「そんなことを言うなら、こっちの問題も何とかしろ」というような事を、Bさんが言ったのだ。Aさんの名前も消して、文章も途中でぶった切って。

Aさんがそれに苦情を言った所、Bさんがそこで話を終わらせず、独特の持論を展開し、その流れの中で、Bさんが勝手に炎上につながる”失言”をした。結果、炎上したのだ。こういう事を、私は、「どっちもどっち」とは思わないし、失言に対する問題提議はあって然るべきだとおもう。更にその後、Bさんはその失言について「直接選手にあって謝罪する」と言い出す。自分が自分のSNSで勝手に誹謗中傷した相手、要するに陰口を散々叩いた相手に会って謝りたい、という。選手に迷惑をかける事を恐れた人たちがそれを必死に止めた、というのが大まかな流れ。もちろん、その過程に、酷い言葉もあったかもしれないし、Bさんに対して何を言っても良い訳じゃない。でも、大まかなその流れは、ある一人の人が時間をかけて、きちんとBさんと話し続け、その謝罪を取りやめさせるように言った、というのが大筋だと思う)